FOUNDMIX 01 – Jerry Paper

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FOUNDMIXの記念すべき最初のゲストは、NYブルックリンの宅録男子Lucas NahanのプロジェクトJerry Paper。PLONEやJeremy Dowerを現代にアップデートしたかのようなプリセット感満載のアナログ・シンセ・サウンドを展開するZonotope™名義で活動をスタートさせたLucas。その後自身のポップ・ミュージックへの探求からJerry Paper名義での活動を開始し、昨年の『Fuzzy Logic』から『Jerry Paper Feels Emotions』、『Big Pop For Chameleon World』と傑作LPを立て続けにリリース、ひねりの効いたシンセ使いと独特の浮遊感漂う腰砕けポップソングでアンダーグラウンド・ニューエイジ/アンビエント・シーンに確固たる地位を築き始めている。Homeshake、Eolaと来年1月に待望の再来日を果たす彼が日本をテーマにしたというミックステープをFOUNDLANDに提供してくれた。

 

こんにちは、Lucas!調子はどうですか?

元気だよ!日本に行くのがとても楽しみなんだ。

遂に来日しますね!私たちも凄く楽しみにしています。日本に来るのは何回目ですか?

日本には休暇で2012年の6月に一度だけ行った事があるよ。結局ライブを2公演したけどね。一つは京都のMeditationsでインストアライブをしたのと、もうひとつは東京のBullet’sという場所でフリーライブをしたよ。とても楽しかったから、また戻るのが本当に楽しみ。

あなたはサンタモニカの生まれで今はニューヨークに住んでいますよね?幼い頃のことを教えてくれますか?

カリフォルニアのサンタモニカで育って、18歳の頃ニューヨークに移り住んだ。マンガが大好きで、アニメ作家志望の肌の白い痩せた子どもだったよ。5歳の時にピアノを弾き始めたけど、その時は長くは続けなかった。しばらくしてからまた演奏するようになって、他の楽器を試したり、実験することにおもしろみを感じ始めたんだ。フィクションや詩を書くことに興味を持ち始めた十代の頃は、大人になったら作家になるつもりだったよ。けれど結局一番好きなのは音楽だと気づいたけどね。

音楽に触れた最初の思い出について教えてください。

難しい質問だね!どこまで思い出せるかな…兄の部屋から壁を通してよく聴こえてきたヒップホップがとても良かったな。あと、好きなマンガで頻繁に使われていたRaymond Scottの曲「Powerhouse」もお気に入り。カリフォルニア南部で過ごした幼い頃は、ラジオからよく流れていたR&Bが大好きだったね。

ティーンの頃のアイドルは誰でしたか?その頃はどんな音楽を聴いていましたか?

十代の頃はフランク・ザッパやシド・バレットがすごく好きで、17歳の時は「Soft Machine Vol. 1」が一番のお気に入りアルバムだった。その後60年代と70年代のイージーリスニングやサイケポップにハマって、ネット上でそれまでに聴いた事のない昔の音楽を一生懸命になってよく探していたよ。

音楽を始めたきっかけと、現在のスタイルに行き着いた経緯を教えてください。

初めて曲を作って、録り始めたのは14歳の時。ロサンジェルスの近所では隣の家との間隔が広くて、徒歩圏内に住んでいる友達もいなかった。それで自然と自分の部屋にあるパソコンを使って作曲したり録音する様になったんだ。家のガレージにはドラムセットやギターアンプがあったから、そこでカセットレコーダーを使って録音したものを部屋に持ち帰り、パソコンに入れて、その上にメロディーやコードを重ねていった。

友達のBenedekとPresstoneがアナログシンセについて教えてくれて、それをきっかけに電子音楽を作り始めたんだ。シンセサイザーを触り始めた頃、宇宙から聞こえてきそうなふわーっとした音の電子音楽が作りたいと思って、60年代のロックンロールと酷似する様なサイケポップな音をたくさん録音していたよ。そういった経緯で、プロジェクトZonotope™がスタートした。そしてその後音楽スタイルが次第に変わってきて、よりポップ色が強くなったからプロジェクト名をZonotope™からJerry Paperへと変更したんだ。

これまでにDigitalis、Patient Sounds、Orange Milkといった実験的でユニークな作品を発表するレーベルから3枚の作品がリリースされましたよね。それらのレーベルからリリースされた他の作品と比べて、あなたのアルバムはとてもポップなサウンドですが、なぜその3つのレーベルからあなたのLPがリリースされる事になったのでしょうか?

それらのレーベルから出した主な理由は、運営する人達のことが好きだったからだよ。ノイズやエクスペリメンタルな作品は僕自身作らないけど、共通する部分はあると思う。そういった音楽もよく聴くよ。Orange Milkから過去にリリースされたものの中にも僕の大好きな作品があったから、そこから僕のアルバムが出ることになって凄く嬉しく思った。だけど、僕の音楽が一般のリスナーに慣れ親しんでもらうまでに長い時間がかかったみたいだね。僕の音楽はとてもポップだけど、リスナーにはどこか異様に聞こえる部分があるらしい。そういった音楽って十分に理解されるのが難しいんだ。他の変わった作品に比べたら全然普通なのにね。たまにそういった音楽の方がノイズミュージックよりも複雑に聴こえるんだろうね。

音楽もそうなのですが、ビデオもとても特徴的で面白いですね。ビデオのアイデアは全てあなたが思いついたものですか?ビジュアルに関してこだわりはありますか?

僕が全て発案した訳ではないけど、作品に付随するビジュアルは僕が全部コントロールしてるよ。「Chameleon World」のビデオのアイデアは僕が思いついた。その曲をレコーディングしている最中に浮かんだんだ。「Reprogram Ourselves」のビデオに関しては僕の友達が考案してくれて、それが曲にぴったり合うと思った。アルバムのジャケットは、なるべく自分も制作に加わって信頼する好きなアーティストに依頼するんだけど、そう思った通りにできない時もたまにあるね。


 

Who is Jerry Paper: The Infinity Between One and Zero?」の奇妙なビデオをとても気に入りました。あの家は相当変わってますよね(笑)

ははは(笑)!あそこにはもう住んでいないよ。大きなゴキブリや変な虫が沢山いる、カビだらけの最悪な状態のアパートだったから壊されることになって、そこを出ていくはめになったんだ。

普段は一日をどう過ごしているのですか?何か別の仕事をしているのですか?

今のところ音楽以外の仕事はしていないよ。毎日起きたらまずお茶を飲んで、瞑想して、ストレッチをする。それ以降は音楽や他のアートプロジェクトに取り組んだり、用事を済ませたり。音楽制作に10時間から14時間ぐらい集中する日もたまにあるけど、普段はは3、4時間程度かな。音楽制作やライブのブッキング、アートワークの作成、ビデオゲームやメディアアートのプロジェクト用にアイデアを練ったり、文章を書いたり、毎日ある程度の時間をプロダクティブに使うようにしているよ。時たま夜に友達と会ったりするけど、数日間家から出ない事もよくあるね。

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毎日Lucasが戯れているというネコ

いよいよ来日ツアーが近づいてきましたね。日本にはどんな印象を持っていますか?楽しみにしていることはありますか?

音楽や食べ物といった日本の文化が大好きだから、なるべく多くの事を経験してもっと沢山知りたいよ。君達のカルチャーについてぜひいろいろ教えてほしいね!

今後の予定を教えてください。

もちろん音楽含む制作活動は続けるよ。人間、更には宇宙人達にも楽しんでもらえる作品をね。

TRACKLIST

01. My Pops – Popsong’s Factory
02. Don’t Work That Hard – Scritti Politti
03. Agora Ou Nunca Mais – Ana Mazzotti
04. Splatch – Miles Davis
05. Say Me Say – Justin Hines
06. Chasing The Dragon – Thomas Leer
07. La Rosa – Yukihiro Takahashi
08. O Trem Azul – Milton Nascimento & Lo Borges
09. I Can’t Go Wrong – Keith
10. Let’s Be Adult – Arto Lindsay & The Ambitious Lovers
11. Twenty Third Psalm – Junior Delgado
12. Cadê Tereza – Jorge Ben Jor
13. In A Forest Of Feathers – Ryuichi Sakamoto

Jerry Paper – Bandcamp
Jerry Paper – Facebook

2015 JAPAN TOUR FLYER

Jerry Paper/Homeshake/Eola Japan Tour

Jerry Paperの最新リリースはこの来日ツアーに際して大阪のbirdfriendからリリースされる『BIG POP TRAVELER’S DELIGHT』。来日ツアーの日程は以下の通り。東京公演では先頃FOUNDLANDにも出演したmay.eも共演する。

2015-01-12 神戸・space eauuu
2015-01-13 大阪・HOP KEN
2015-01-16 岡山・studio CRAZY MAMA 1
2015-01-17 落合・Soup
2015-01-18 浜松・ZOOT HORN ROLLO

翻訳:Yuri Yoshioka
協力:Lucas Nathan, Hakobune, Patient Sounds